さわやか工房 はじめの一歩

徳山地区精神保健家族会小規模作業所、今のさわやか工房は、周南市平野にある曹洞宗瑞龍山「祥雲寺」から始まりました。

 

昭和59年、家族会の方々や保健所の方が、和尚様や門徒の方々にお許しを頂き、場所を借りて作業が始まりました。当時は、お菓子の箱組み立てや手芸小物等を作成していたようです。

 

その後、当時の保健所長さんのご尽力もあり、昭和60年に周南市岐山の図書館の横にある「勤労福祉センター」を借りることができました。

場所を固定することが出来たため、お菓子の袋詰め、メンバー(利用者のことをこう呼びます)の山を借りて畑を作り、赤い羽根共同募金でミシンを頂くなど、作業内容を少しずつ増やしていきました。

 

当初、作業所の運営は手弁当、つまり家族会の方々の寄付やバザーの収入などを運営費に充てていました。年に4,5回バザーをして、家族が指導員をするなどしてやりくりをしていました。

昭和61年に山口県や市(徳山市、下松市、光市、新南陽市、鹿野町、のちに熊毛町)から助成金を頂くようになり、運営が少しずつ安定しはじめました。

 

メンバーは少しずつ増え、平成7年には31人となり、勤労福祉センターの部屋が人であふれるような状態になっていました。

徳山地区精神保健家族会のはじまり

前回、徳山地区精神保健家族会は昭和54年に設立したと書きましたが、いろいろ調べて行くうちに、昭和53年創立という話も出てきました。

 

実は、昔を知る方が少なく、ここのところをはっきり調べることが出来ませんでした。

また、設立後の資料もなく、次にわかったことは、昭和60年に作業所を開設したことでした。

 

ここからは推測ですが、家族会設立後、保健所の保健師さんや職員さんと一緒に定例会や勉強会、視察などをしていたのではないかと思います。

その中で、作業所の話が出たのではないでしょうか?

 

当時は、病院から退院しても、家以外に行くところがありませんでした。

きっと、家族の方は困り、どうにかしないといけないと思ったことでしょう。

また、あの頃は、全国で家族会運動が盛んになり、作業所設立の機運が高まった時期でもありました。

 

徳山地区精神保健家族会作業所を創ろう!という話になったと思われます。

 

さて、作業所の第一歩は、新南陽のあるお寺から始まりました。

 

写真は平成になってからのもの。講師を招いて勉強会と思われます。

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みんなで歩けば道になる    ~山口県の家族会は~

家族会活動は、全国で展開していきましたが、山口県の家族会はどうだったのか。

 

資料によると、山口県精神障害者家族会連合会(山家連)が創立したのが、昭和47年10月28日、防府市の歯科医師会に5家族会が集い、活動が始まったと書いてありました。

(「みんなで歩けば道になる 全家連30年のあゆみ」より)

 

当時のことを詳細に確認することが出来ないため、あくまでも推測ですが、全国的な流れと同じように、山口県でも病院から家族会が始まり、昭和40年以降、保健所が当事者や家族をつなぎ、その中から地域の家族会は生まれたのではないかと思います。

 

徳山精神保健家族会も昭和54年に創立したと聞いています。

 

きっと、あの当時の家族の方々は、さまざまな苦労を抱えながらも、学び合い、団結し、社会に啓発するなど、活動を行っていったのだと思います。

 

徳山地区精神保健家族会がどのように始まり、活動を展開していったのか・・・

次は、この部分について触れたいと思います。

みんなで歩けば道になる                              ~わかちあい・まなびあい・はたらきかけ~

歴史を少し触れますと、日本の精神保健家族会は、1960年ごろの病院家族会から始まり、全国組織として「全国精神障害者家族会連合会(ぜんかれん)」が結成されます。

昭和40年に精神衛生法の改正により、保健所が地域における精神保健行政の第一線機関として位置づけられ、相談や訪問指導を強化することになったこともあり、保健所を拠点に地域家族会が設立されました。

山口県でも次々と家族会ができ「徳山地区精神保健家族会」も昭和54年に設立されました。

 

家族会活動には「わかちあい」「まなびあい」「はたらきかけ」という

3つの柱があります。

 

わかちあい

同じ悩みを持つ仲間がいることを知り交流をする。

まなびあい

家族が疾患に対する知識や活用できるサービスを知る。

はたらきかけ

地域住民への啓発活動や関係機関への要望など、社会に向かって発言や行動をする。

 

特に大事な活動は「わかちあい」にあります。

家族会は自助グループです。

家族同士が援助したり、援助されることで、力を獲得(エンパワメント)して、自分を変える力を得ることができます。

そして、その力を使って、社会に働きかけ、社会を変えていく運動を行っていったのです。

みんなで歩けば道になる                        ~精神保健家族会の原点~

ここに一冊の本があります。

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これは、財団法人全国精神障害者家族会連合会が発行しているもので、家族会のなりたちや活動などのあゆみが乗せられています。

冒頭にこのような記述があります。

「かつて精神障害者は座敷牢に閉じこめられ、人間扱いされない時代があった。それは人間の尊厳に対する著しい冒瀆であった。精神障害者というだけで、本人とその家族は偏見の目で見られ、また社会的にも制度的にも差別を受け続けてきた。多くの病者、家族が苦渋の生活の中に生き、ある者は苦しみに耐えかねて自らの命を絶った。その苦しみは同じ悩みを持ったものでなくてはわからない苦悩でもある。我々家族会の歴史をふりかえるとき、この苦悩を抜きに語ることはできない。なぜなら、こうした苦しみや悲しみこそが家族会運動の原点にあるからである。」

(財)全国精神障害者家族会連合会発行 みんなで歩けば道になる -全家連30年のあゆみ-より引用)

これを目にした時、大きな衝撃を覚えました。

きっと全国各地で、当事者と家族の思いが集まり、やむにやまれず出来たものであったのだと・・・

徳山地区精神保健家族会も、その一つでした。